内景
2019.10.09
日本武術には内景(ないけい)という言葉がある。
からだの内側の景色、それを内景と呼ぶ。
柳生心眼流を学ぶ時にいつも骨格標本を前にして学んだ。
骨格標本は昭和の時代のもの。
当時で何十万円もしたという。
今では考えられないような骨格標本
本物の骨格から歯の土台を取るような感じで作った標本。
それをいつも見ながら骨絡から始まる術を学んだ。
本物の骨格には表面に凄く小さな穴が空いている。
人の体は水分が多い。
骨格の穴に一本ずつ筋繊維が付いていて
水の中を漂うように動く。
内景が具体的に何となく目に浮かんでくる。
筋肉は実際には物凄く多様に水の中の
草のような動きをする。
体が動くたびに体の水は揺れる。
その動きと調和するように意識と無意識の動きが働く。
その結果として人の動きは完成する。
内景とは地表の全ての変化の分だけ存在する。
最近そんなことを体で感じるようになってきた。
体の内側と地球は似ているんだろう?
古い時代の武術の知恵は果てしなく
大きな可能性を持っている。
最近前よりもそう感じる。